
【2025年12月12日・台湾桃園】 AIインフラ管理のリーダーであるINFINITIXは本日、Kenmec Groupの年度製品発表会に出席し、Kentec Inc.がAIデータセンター(AIDC)分野で迎えた重要な節目を見届けた。台湾で自主開発された2.5MW超大型液冷CDUが正式に披露され、同社は2026年の上場申請を予定していることを明らかにした。台湾のAIインフラ構築が新たな段階に入ることを示す動きだ。
ハードウェア統合|AIオーケストレーションエンジンが液冷インフラを強化
今回の発表では、AIトレーニングと推論需要の増大により、データセンターが直面する熱処理および電力消費の課題が浮き彫りとなった。Kentecが公開した2.5MW液冷CDUは、高発熱環境への対応における台湾の技術的前進を示すものである。
一方、INFINITIXはAI-Stack GPUリソース管理プラットフォームおよびixCSP商用計算ソリューションを通じて、AIDCの運用と管理の中核を担う。AI-StackはGPU分割、クロスノード計算、リソースプール化、予測型スケジューリングなどの機能を備え、GPU利用率と全体の計算リソースコストパフォーマンスを大幅に向上させる。ixCSPはGaaS、MaaS、TaaSなど多様な計算リソースサービスモデルに対応し、計算リソースの即時・プラットフォーム化された提供を可能にする。
液冷ハードウェアは高熱密度環境の熱問題を解決し、ソフトウェアは計算リソース利用率を最大化する。両者が組み合わさることで、高効率な「ソフト・ハード統合」AIDC アーキテクチャが形成され、企業の構築・運用における競争力を大幅に高める構造となる。
INFINITIXのCEOであるWen-Yu Chen氏は次のように述べた。「AIDCの競争軸は、単なるハードウェアの積み上げから、統合戦略へと移行しています。Kentecが発表した2.5MW液冷CDUは、台湾が国際レベルのハードウェアおよびエネルギー技術の実力を有していることを示すものです。当社はAI-Stack を組み合わせることで、グローバルなAIデータセンターの計算効率とエネルギー効率をさらに高めることができます。今後もKentecと協力し、台湾のAIインフラを国際市場へ推進し、次世代の大規模AI応用を支える主要な原動力となることを目指します。」
台日協力を一段と深化|MW級国家計算リソースプロジェクトへ共同参画
発表会では、KentecがHITACHI ENERGY、信越科学(SSI)、NIDECとMOUを締結したことも明らかにされた。協業範囲は、関東・関西・鹿児島における1GW超のAIDCインフラ構築に及ぶ。
INFINITIXも、日本の大手企業や研究機関に対し、GPU計算プール、分散学習、AIクラウドサービス基盤の導入支援を継続しており、「台日AIDC戦略アライアンス」の深化と影響力拡大に寄与している。
構築が加速|台湾のAIインフラが世界展開へ
Kentecはすでに日本、東南アジア、中東、北米において複数の大規模データセンター向けPOC設計案件を獲得している。INFINITIXのAI-Stackも各国で導入が進み、マルチブランドGPU、クロスノード処理、大規模AI計算の展開を支援している。
両社は、Kentecが 2026 年に上場した後、液冷技術、オーケストレーションプラットフォーム、デジタルツイン、エネルギー管理の組み合わせが、台湾のAIインフラ国際化に向けた重要な成長エンジンになるとの見方を示している。
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