
生成AIの普及に伴い、企業におけるAI推論需要が急速に増加している。計算リソースの確保とGPUの運用効率は、もはや各産業の競争力を左右する鍵となった。
INFINITIX は11月13日、SignalPro Technologyに加え、Supermicro、Macnica、Stark Technology、Hetoneなどの関連企業と連携し、台湾南部サイエンスパーク周辺で次世代「SiGTRON AI-FACTORY」の構築プロジェクトを始動した。同プロジェクトは、Neocloud(Next-generation Cloud)が掲げるスマート計算エコシステムの形成に向け、地域におけるAIインフラを強化する狙いがある。
地方政府が全面的に支援 南部におけるAI産業の新たな中核を形成へ
台南市のフアン ウェイジェ市長は、市政府として国内外の有力企業が台南への投資を継続的に拡大していることに対し深く感謝の意を示した。今後も安定的で企業にとって利用しやすい投資環境の整備を進め、台南に拠点や本社を置く企業をさらに呼び込み、南部AI産業の研究開発力および国際競争力の強化を図る考えを示した。これにより、スマート製造や各種イノベーションの持続的な発展を促すとしている。
台南市経済発展局も、市政府が投資フレンドリーな環境整備を積極的に推進しており、AIチップ、サーバー、スマートロボット関連企業の誘致に取り組んでいると説明した。これにより産業チェーンの高度化が進み、台南がAI駆動のスマート製造都市へと移行する動きが加速する見通しだ。産業・テクノロジー・イノベーションを並行して発展させることで、台南は南台湾におけるAI産業エコシステムの新たなモデルケースを形成しつつある。
AI-Stackが次世代AIファクトリーを支える基盤に AI主権と推論実用化を加速
AI-FACTORYでは、128台のSMCI HGX B200サーバーノードと、24台のSMCI RTX Pro6000サーバーノードを採用し、総計算性能は40.96 ExaFLOPSに達する。INFINITIXが独自開発したAI-Stack GPU リソース管理ソフトウェアは、その運用中枢として機能し、GPUの分割、統合、クロスノード計算、柔軟なスケジューリングを担当することで、複数のユーザーが高効率に活用できる環境や、即時推論の最適化を実現している。同時に、PUE(電力使用効率)が1.20未満の省エネ設計により、高効率かつ持続性の高い計算基盤を構築している点も特徴だ。
AI-Stackのモジュール化された設計は、SignalProのレーダーセンシングAIアルゴリズムやクラウド推論モデルともシームレスに連携でき、迅速に展開可能なCompute-as-a-Serviceエコシステムを形成する。多層的な管理フレームにより、AI-FACTORYは単一プラットフォーム上でクロスノード計算、ワークロード分散、リアルタイム監視を一体的にサポートし、政府機関、研究機関、企業が求めるデータ主権、セキュリティ、高信頼性の要件に応える構造となっている。これにより、Neocloudは単なるAIデータセンターにとどまらず、AI主権のローカライズと産業応用の実装を推進する中核エンジン、そして技術育成拠点としての役割を担う。
産業統合の新たなモデルケース AI推論エコシステムを共創
INFINITIXのWen-Yu Chen CEOは次のように述べている。「AI-FACTORYのハードウェアは基盤だが、その計算リソースを最大活用するのはソフトウェアであり、いわば神経中枢にあたる。SignalProはソフトとハードを高度に統合する能力を持ち、INFINITIXのAI-StackソリューションはGPUリソースプール化、マルチテナント管理、MLOps自動化など、運用に不可欠なAIオーケストレーション機能を提供している。また、新機能であるixCSPモジュールにより、SiGTRONはGPUリソースをIaaS、PaaS、SaaSといった柔軟な『フルサービスモデル』へ迅速に転換でき、資産の利用効率を最大化するとともに、あらゆる企業がより低いハードルでAIを実装できるようになる。」
INFINITIXは、SignalPro、Supermicro、HeTone グループなどのパートナー企業との緊密な連携を通じて、「From Data to Intelligence」を掲げた計算リソース転換戦略を継続的に推進し、南台湾がアジアにおける重要なAI推論演算拠点となることを支援していく。
INFINITIX、2.25億台湾ドルの資金調達を完了 AIインフラ革新とグローバル展開を加速へ
INFINITIX、台湾産業発展署「AI信頼アクセラレーター」始動に参画 AI-Stack によりAIの実装と普及を加速